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「あの人しかわからない」をなくす、業務マニュアルの作り方。

#ビジネス

文・編集 La plus

「あの人しかわからない」業務を減らすには、続けられる業務マニュアルが欠かせません。属人化を解消するマニュアルの作り方を、対象業務の選び方、わかりやすく書くコツ、判断基準の残し方、更新の仕組みまで解説します。

「あの人しかわからない」業務を減らすには、続けられる業務マニュアルが欠かせません。属人化を解消するマニュアルの作り方を、対象業務の選び方、わかりやすく書くコツ、判断基準の残し方、更新の仕組みまで解説します。

業務の属人化は、会社にとってのリスク

特定の人しかできない業務があると、その人が休んだり異動・退職したりしたときに仕事が止まってしまいます。急ぎの対応が必要な場面で「担当者が戻るまで分かりません」となれば、お客様にも迷惑がかかります。

属人化は、担当している本人にとっても負担です。自分しか分からない仕事を抱えていると休みにくく、新しい仕事にも手を広げにくくなります。業務マニュアルは、仕事を誰かに押し付けるためではなく、チームで分け合うための道具です。

Webサイトの更新やSNS運用、システムの管理といった業務でも、「ログイン情報や手順を知っているのが一人だけ」という状態は少なくありません。制作や開発を担当する立場から見ても、手順が残っている会社ほど、担当者が変わっても運用が途切れにくいと感じます。

業務マニュアルの作り方:最初は「止まると困る業務」から

すべての業務を一度にマニュアル化しようとすると、途中で手が止まってしまいます。まずは対象を絞り、効果の大きいところから始めましょう。

  • 担当者がいないと止まってしまう業務
  • よく人に聞かれる作業
  • 月に一度や年に一度しかやらず、手順を忘れがちな作業
  • ミスが起きると影響が大きい作業
  • 近いうちに引き継ぎが予定されている業務

候補がいくつかあれば、まずはひとつに絞ります。業務全体を一覧にする棚卸しをしてから選ぶと、抜けや重複に気づきやすくなります。

属人化を解消するには、担当者の頭の中を言葉にする

属人化の正体は、多くの場合、ベテランの頭の中にある判断やコツです。手順を並べただけのマニュアルでは、「この場合はどうするのか」という判断が抜け落ち、例外が起きた瞬間にまた担当者に聞くことになります。

実際の作業を見ながら聞き取る

担当者に「手順を書いてください」とお願いしても、本人にとって当たり前のことは書かれにくいものです。作業を実演してもらいながら、別の人が質問して書き留めると、無意識にしている確認や判断を引き出しやすくなります。画面を録画しておくのも有効です。

判断の基準と、その理由を書く

「金額が一定を超えたら上長に確認する」「このお客様には先に電話する」など、条件によって対応が変わる部分は、基準とあわせて「なぜそうするのか」も書いておきます。理由が分かると、マニュアルに書かれていない場面でも判断しやすくなります。

わかりやすい業務マニュアルを書くコツ

読む人が迷わず同じ作業ができることが、わかりやすいマニュアルの条件です。次のような点を意識すると、書き手が変わっても質をそろえやすくなります。

  • 冒頭に、何のための作業か、誰が読む想定かを書く
  • 1つの作業を1ページ(1ファイル)にまとめる
  • 手順は番号付きにし、1つの手順には1つの動作だけを書く
  • 画面のスクリーンショットや短い動画を入れる
  • 社内用語や略語には、簡単な説明を添える
  • 間違えやすい点や、やってはいけないことを明記する
  • 最終更新日と担当者を書く

最初から完璧を目指す必要はありません。まずは主な手順が書けた段階で使い始め、使いながら直していくほうが、結果的に早く役立つマニュアルになります。

マニュアルの置き場所と、業務の引き継ぎでの使い方

せっかく作ったマニュアルも、どこにあるか分からなければ使われません。共有フォルダや社内のドキュメントツールなど、置き場所を一か所に決め、全員が最新版にたどり着ける状態にしておきましょう。

引き継ぎのときは、新しい担当者にマニュアルだけを見て実際に作業してもらい、前任者が横で見守る形がおすすめです。つまずいたところや質問が出たところが、マニュアルの書き足しポイントになります。

パスワードなどの機密情報は、マニュアル本文に直接書かず、管理方法と保管場所だけを記載するなど、扱いを分けておくと安全です。

マニュアルは作ったあとの更新と運用が本番

業務のやり方は、ツールの変更や取引先の要望などで少しずつ変わっていきます。マニュアルが古いまま残っていると、かえって間違いのもとになり、結局「あの人に聞くしかない」状態に戻ってしまいます。

  • マニュアルごとに、更新の担当者を決める
  • 業務の手順が変わったら、その場で差分を直すルールにする
  • 半年に一度など、見直しのタイミングを決めておく
  • 変更した点は、関係者に短く共有する

繰り返しの作業がマニュアル化できたら、その手順の一部をスプレッドシートの自動化やシステムに置き換えられないかを考えるのも次の一歩です。手順が言葉になっていると、仕組み化の相談もスムーズに進みます。

まとめ:小さく作って、使いながら育てるマニュアルへ

属人化を防ぐ業務マニュアルは、止まると困る業務から始め、担当者の判断まで言葉にし、置き場所と更新の担当を決めることで続けられるものになります。完璧な一冊を目指すより、小さく作って使いながら直していくことが大切です。

La plusでは、Webサイトやシステムの運用手順の整理、マニュアル化した業務の自動化などのご相談もお受けしています。「この作業、誰でもできる形にしたい」という段階からお気軽にどうぞ。

よくある質問

Q. 業務マニュアルは、WordやExcel、専用ツールのどれで作るのがよいですか?

大切なのは、全員がすぐに開けて、更新しやすいことです。少人数なら共有フォルダのドキュメントでも十分です。マニュアルの数が増えて検索や更新の管理が大変になってきたら、専用のマニュアル作成ツールを検討するとよいでしょう。

Q. 忙しくてマニュアルを作る時間がありません。どうすればよいですか?

作業中の画面を録画する、作業しながら声で説明して録音する、といった方法なら、普段の業務のついでに素材を残せます。それを別の人が文章に整える形にすれば、担当者の負担を抑えられます。まずは1つの作業から始めてみましょう。

Q. マニュアルを作っても読まれません。どうすれば使われるようになりますか?

置き場所を一か所にまとめ、質問が来たときに「この手順書を見てください」とマニュアルを案内する習慣をつけるのが効果的です。新人研修で使うマニュアルを指定するのもおすすめです。読まれない原因が分かりにくさにある場合は、読んだ人の意見で直しましょう。

Q. マニュアルはどのくらいの頻度で見直せばよいですか?

業務の手順が変わったときにすぐ直すのが基本です。そのうえで、半年に一度など定期的に見直す日を決めておくと、更新漏れに気づけます。最終更新日を書いておくと、古い情報かどうかを読み手が判断しやすくなります。

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