自社ドメインの名義をWHOISで確認する方法と、制作会社や元担当者の名義だったときの対処を解説。名義変更(移転)と管理事業者の変更の違い、認証コードの期限、移管前に確認する5つのことも紹介します。
「制作会社との契約を終えたら、ホームページもメールも使えなくなった」「ドメインの更新のお知らせが、昔の担当者のところに届いていた」――ホームページの相談を受けていると、ドメインにまつわるトラブルを耳にすることがあります。原因の多くは、自社のドメインが自社の名義になっていないことです。ドメインは、ホームページのURLとメールアドレスの両方に使われる、会社の住所のようなものです。この記事では、自社ドメインの名義を確認する方法と、制作会社名義だったときの対処、制作会社を変えるときの手順を紹介します。
ドメインの「名義」と「管理」は別のもの

ドメインについて調べ始めると、似たような言葉がたくさん出てきます。まずは次の4つを区別しておきましょう。
| 言葉 | 意味 | たとえると |
|---|---|---|
| 登録者(名義) | そのドメインの持ち主として登録されている人・会社 | 土地の所有者 |
| 管理事業者(レジストラ・指定事業者) | ドメインの登録や更新の手続きを受け付ける会社(お名前.com、Xserverドメインなど) | 登記の窓口 |
| DNS | ドメインと、サーバーやメールを結びつける設定 | 住所と建物を結ぶ案内板 |
| サーバー | ホームページのデータやメールを置いている場所 | 建物 |
大切なのは「誰が管理しているか」ではなく、「登録者として誰の名前が載っているか」です。管理の手続きを制作会社に任せていても、登録者が自社であれば、いざというときに自社の判断で動けます。反対に、登録者が制作会社や元担当者の個人名になっていると、自社だけでは手続きを進められません。
WHOISでドメインの名義を確認する方法

ドメインの登録情報は、「WHOIS(フーイズ)」という仕組みで誰でも調べられます。
.jp・.co.jp などのドメインの場合
- JPRS WHOIS(https://whois.jprs.jp/)を開く
- 検索タイプで「ドメイン名情報」を選び、自社のドメイン名を入力する
- 結果の「登録者名」または「組織名」の欄を確認する
- あわせて「ネームサーバ」(DNSの設定先)も控えておく
.com・.net などのドメインの場合
ICANN Lookup(https://lookup.icann.org/)などのWHOIS検索で、ドメイン名を入力して調べます。
確認した結果は、次のように判断します。
- 自社名が入っている:まずは安心です。更新の連絡先メールアドレスが今も読めるものかを確認しておきましょう。
- 制作会社名や、元担当者の個人名が入っている:次の章の対処が必要です。
- 管理事業者の名前や「代行」と表示される:.comなどでは、個人情報の保護のために管理事業者の情報が代わりに表示されることがあります。この場合はWHOISでは分からないため、ドメインを契約している管理事業者のアカウント(管理画面)で登録者情報を確認します。契約先が分からなければ、更新費用の請求書やメールからたどりましょう。
名義が制作会社や元担当者になっていると起きること

登録者が自社でないままにしておくと、次のようなことが起こりえます。
- 制作会社を変えられない:ドメインを別の会社に移す手続きには、登録者の承認が必要です。制作会社の協力が得られないと、ドメインを持ち出せません。
- 更新が止まって、サイトもメールも止まる:更新のお知らせが制作会社や退職した担当者にしか届かず、気づかないうちに期限が切れてしまうことがあります。期限が切れると、ホームページが表示されなくなり、そのドメインのメールも届かなくなります。
- これまでの検索評価を失う:やむを得ず新しいドメインに移ると、URLが変わるため、それまでの検索順位やリンクの評価を引き継ぐのに手間がかかります。長く使ってきたドメインほど、影響は大きくなります。
ドメインはホームページの土台であり、SEOの評価が積み上がる場所でもあります。「制作会社に任せているから大丈夫」ではなく、名義だけは自社にしておくことが大切です。
名義を自社に変える手続きと、管理事業者を変える手続き

「ドメインを移す」と一言でいっても、変えたいものによって手続きが違います。
| 変えたいもの | 手続きの名前(.jpの場合) | 必要なこと |
|---|---|---|
| 登録者(制作会社名義 → 自社名義) | 移転 | 現在の登録者(制作会社)の同意と手続き |
| 管理事業者(制作会社が使っている事業者 → 自社で契約した事業者) | 指定事業者変更 | 認証コード(AuthCode)と、登録者の承認 |
| 登録者の社名や住所 | 記載事項の変更 | 管理事業者への申請 |
順番は「先に名義、次に管理事業者」
登録者が制作会社のままで管理事業者だけを変えても、名義は自社になりません。また、管理事業者の変更を承認するのは登録者なので、名義が制作会社のままだと承認も制作会社がすることになります。まず制作会社に相談して登録者を自社に変えてもらい、そのあとで管理事業者を移す、という順番で進めましょう。
認証コード(AuthCode)の期限に注意
.jpドメインの管理事業者を変えるときに使う認証コードは、JPRSの説明では、発行された日の翌日を1日目として35日後の23時59分59秒が期限です。期限が切れると最初からやり直しになるため、受け取ったらなるべく早く移管先に申し込みます。認証コードはドメインのパスワードのようなものなので、社内で共有するときも扱いに注意しましょう。
.comなどのドメインは、ICANNのルールで手続きが決められており、取得直後や移管直後など、一定期間は移管できない場合があります。細かな条件は管理事業者に確認してください。
移管の前に確認しておきたい5つのこと

手続きの途中でホームページやメールが止まらないよう、事前に次の5つを確認しておきましょう。
- 登録者のメールアドレスが読めるか:承認の連絡や認証コードは、登録されているメールアドレスに届きます。
- 有効期限まで余裕があるか:期限が近いと手続きが間に合わないことがあります。JPRSも、手続きには数日程度かかる場合があるとしています。
- 移管を止めるロックがかかっていないか:ロックが設定されている場合は、先に解除が必要です。
- DNSの設定をどこで管理しているか:今の管理事業者のDNSを使っている場合、移管後に設定が引き継がれず、サイトやメールが止まることがあります。移管先で同じ設定を先に用意しておきます。
- サーバーとメールの契約が誰のものか:ドメインだけ移しても、サーバーやメールが制作会社の契約のままだと、契約終了とともに使えなくなります。
これから制作を依頼するなら、契約前に決めておきたい3つのこと

これから新しくホームページを制作する場合は、契約や発注の段階で次の3つを決めておくと、後のトラブルをほとんど防げます。
- ドメインの登録者は自社の名義にする(取得の作業は制作会社に任せてもよい)
- 更新のお知らせは、自社の代表アドレスにも届くようにする
- 契約を終えるときは、認証コードとDNSの設定内容を引き渡してもらう
制作会社に依頼する前の準備については、制作会社に依頼する前に用意したい、5つの準備資料。もあわせてご覧ください。
よくある質問

Q. 制作会社名義のドメインを、自社名義に変えてもらうのにお金はかかりますか?
管理事業者によっては移転の手数料がかかります。制作会社の作業費が発生する場合もあるため、まずは制作会社に費用と期間を確認しましょう。
Q. 制作会社と連絡が取れません。どうすればいいですか?
登録者が自社であれば、管理事業者やJPRSに相談できる場合があります。登録者が制作会社の場合は、自社だけで名義を変えることは難しくなります。契約書や請求書など、ドメインの費用を負担してきた記録を手元にそろえたうえで、管理事業者や専門家に相談しましょう。
Q. .co.jpのドメインは誰でも登録できますか?
.co.jpは、日本で登記している会社などが1組織1つまで登録できるドメインです。そのため登録者は原則としてその会社自身になりますが、念のためWHOISで登録者を確認しておきましょう。
まとめ

ドメインの名義は、ホームページとメール、そしてこれまでの検索評価を守るための大切な確認ポイントです。
- WHOISで登録者を確認する(.jpはJPRS WHOIS、.comなどはICANN Lookup)
- 制作会社名や個人名だったら、制作会社に相談して自社名義に変えてもらう
- 管理事業者を変えるのは名義を変えたあと。認証コードの期限とDNSに注意する
- これから制作するなら、名義・連絡先・引き渡しの3つを契約前に決めておく
株式会社La plusでは、ホームページの制作やリニューアルとあわせて、ドメインやサーバーの名義・契約の整理もお手伝いしています。「今のドメインが誰の名義か分からない」「制作会社を変えたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。
