業務のムダを見つけたいなら、まず1週間だけ作業ログをつけてみましょう。記録する項目、続けるコツ、見返すときに注目したい「繰り返し」と「待ち」、改善候補の選び方まで、作業ログのつけ方をやさしく解説します。
業務のムダを見つけたいなら、まず1週間だけ作業ログをつけてみましょう。記録する項目、続けるコツ、見返すときに注目したい「繰り返し」と「待ち」、改善候補の選び方まで、作業ログのつけ方をやさしく解説します。
業務効率化は何から始める?まずは作業ログで「見える化」する
「毎日忙しいのに、何に時間を取られているのかはっきりしない」。業務効率化を考え始めた方から、よく聞く悩みです。感覚で「この作業が重い」と思っていても、実際に記録してみると、別の作業のほうが時間を食っていたということは珍しくありません。
そこでおすすめしたいのが、1週間だけ作業ログをつけることです。作業ログとは、いつ・何を・どれくらいの時間やったかを簡単に書き残す記録のこと。業務の棚卸しの第一歩として、特別なツールがなくても今日から始められます。
システム開発や自動化のご相談でも、最初に「今の業務がどう流れているか」を伺います。そのとき作業ログのような記録があると、どこを仕組みにすれば効果が出るのかを具体的に話し合えるため、提案や見積もりの精度も上がりやすくなります。
作業ログに記録する項目は5つで十分
作業記録の項目を増やしすぎると、書くこと自体が負担になって3日で止まってしまいます。最初は次の5項目だけに絞りましょう。紙のメモでも、スプレッドシートでも、スマートフォンのメモアプリでも構いません。
- いつ:日付と、開始・終了のおおよその時刻
- 何をしたか:「請求書を作成してメール送付」のように動詞で書く
- どれくらいかかったか:5分単位のざっくりした時間でよい
- 誰かに確認・依頼したか:返事待ちが発生したかどうか
- 面倒だと感じたか:○か×で十分
ポイントは、作業名を「事務作業」のような大きなくくりにせず、人に引き継げる単位で書くことです。「顧客台帳から住所を写して宛名ラベルを作る」くらい具体的だと、あとで改善の手がかりが見つかりやすくなります。
1週間の作業ログを続けるためのコツ
作業ログは、正確さよりも続けることが大切です。分単位で厳密に測る必要はありません。むしろ、完璧に書こうとして途中でやめてしまうほうがもったいないので、「だいたい」で記録して構いません。
書くタイミングを決めておく
作業のたびに書くのが難しければ、昼休み前と終業前の1日2回、まとめて振り返る形でも十分です。カレンダーやチャットの履歴を見ながら思い出すと、抜けが少なくなります。
1週間という期間にする理由
1日だけだと、たまたまの出来事に左右されます。1週間あれば、毎日の作業と週に一度の作業の両方が見えてきます。月末だけの作業がある場合は、その週を含めるか、別にメモしておくと棚卸しの抜けを防げます。
業務のムダを見つけるには「繰り返し」と「待ち」に注目する
1週間分の記録がたまったら、ざっと見返してみましょう。業務のムダを見つけるときに注目したいのは、毎日や毎週のように繰り返している作業と、誰かの返事や承認を待っている時間です。
- 同じデータを別の表やシステムに書き写している
- 毎回ほぼ同じ文面のメールや連絡を送っている
- 集計のために、複数のファイルを開いて数字を拾っている
- 確認や承認の返事待ちで、作業が止まっている
- 「面倒」に○がついた作業が、何度も出てくる
とくに、転記・集計・定型連絡のような「判断が少なく、繰り返しが多い作業」は、手順の見直しやスプレッドシートの工夫、フォームの自動返信、AIの活用などで減らしやすい候補です。一方で、判断や相手との調整が多い作業は、仕組み化よりもルールづくりやマニュアル化が向いていることがあります。
作業ログから改善候補を選ぶときの考え方
候補がいくつも見つかると、全部まとめて解決したくなります。ただ、一度に多くを変えると現場が混乱し、何が効いたのかも分からなくなります。まずは「時間がかかっている」「回数が多い」「ミスが起きやすい」の3つの観点で見て、効果が大きそうなものをひとつ選びましょう。
選んだ作業は、手順を書き出してみると、なくせる工程や順番を入れ替えられる工程が見えることがあります。ツールやシステムを入れる前に、作業そのものをやめられないか、まとめられないかを考えるのが近道です。
改善したら、もう一度その作業だけ記録を取ってみてください。前後で比べられると、効果が実感しやすく、次の改善に進む判断材料にもなります。
作業ログをとるときによくある失敗
よくあるのは、項目を細かくしすぎて続かないケースです。また、チームで記録するときに「監視されている」と受け取られてしまうと、正直な記録が集まりません。目的は誰かを評価することではなく、仕事を楽にする場所を探すことだと、最初に共有しておきましょう。
もうひとつは、記録したまま見返さずに終わってしまうことです。1週間が終わったら、30分でもよいので振り返る時間をあらかじめ予定に入れておくと、記録が改善につながります。
まとめ:1週間の作業ログが、業務改善の地図になる
作業ログは、業務のムダを見つけるためのシンプルで確実な方法です。5つの項目を1週間だけ記録し、「繰り返し」と「待ち」に注目して、改善する作業をひとつ選ぶ。この流れだけでも、何から手をつければよいかがはっきりします。
La plusでは、記録から見えた作業をもとに、スプレッドシートの自動化や業務システムづくりのご相談をお受けしています。「この作業は仕組みにできそう?」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 作業ログはExcelやスプレッドシートでつけたほうがよいですか?
続けやすければ紙のメモでも問題ありません。ただ、あとで作業ごとに時間を合計したり並べ替えたりするなら、スプレッドシートのほうが集計が楽です。最初は書きやすさを優先し、慣れてきたら表にまとめる方法でも構いません。
Q. 作業ログは何分単位で記録すればよいですか?
5分〜15分単位のざっくりした記録で十分です。目的は傾向をつかむことなので、厳密さより続けることを優先しましょう。短い作業がたくさんある場合は、「メール対応 合計30分」のようにまとめて書く方法もあります。
Q. チーム全員で作業ログをつけるべきですか?
最初は、業務を一番よく知っている1〜2名から始めるのがおすすめです。全員で行う場合は、評価や監視のためではなく、仕事を楽にする場所を探すためだと目的を共有しておくと、正直な記録が集まりやすくなります。
Q. 業務の棚卸しと作業ログは何が違いますか?
業務の棚卸しは、社内にある業務を一覧にして担当や頻度を整理する取り組みです。作業ログは、実際に何にどれだけ時間を使ったかを記録するもので、棚卸しの材料として使えます。記憶だけに頼らず、実態に近い一覧を作るのに役立ちます。
