契約書のオンライン同意を、スマホで完結できる仕組みを自社開発しました。PDFから専用URLを発行し、メール認証コードと同意記録で「いつ・誰が・どの内容に」同意したかを残します。仕組みや活用例、法律面の注意点を紹介します。
契約書のオンライン同意を、スマホで完結できる仕組みを自社開発しました。PDFから専用URLを発行し、メール認証コードと同意記録で「いつ・誰が・どの内容に」同意したかを残します。仕組みや活用例、法律面の注意点を紹介します。
契約書のやりとりをスマホで完結させたかった背景
契約書を印刷し、押印して郵送し、返送を待つ。日々の取引では、こうした確認のやりとりにも時間がかかります。相手が忙しい方であれば、封筒を開けて押印し、ポストに出すまでに数日かかることも珍しくありません。
電子契約サービスを使う方法もありますが、取引の規模や相手によっては、アカウント登録や操作の説明をお願いすること自体が負担になる場面もあります。相手に印刷やアプリの準備をお願いせず、スマートフォンから確認できる形にしたい。そう考えたのが開発のきっかけです。
La plus+では、契約書の確認と同意を専用ページで受け付ける仕組みを自社開発し、自社の契約で使い始めました。送る側と受け取る側の手順を整理し、合意した内容を双方に残せるようにしています。
オンライン契約同意システムの仕組み:送る側の流れ
管理画面に契約書PDFと相手の名前を登録すると、相手専用のURLが発行されます。送付用の文面も用意されるため、コピーしてメールやLINEで案内できます。
管理画面では、発行済みの契約書を一覧で確認でき、PDFの差し替えや削除にも対応しています。契約書を用意する作業と、相手へ案内する作業をつなぐ構成です。誰にどの契約書を送ったかが一か所にまとまるため、送付漏れや確認漏れにも気づきやすくなります。

受け取る側はスマホで契約書を確認して同意するだけ
相手側にアプリのインストールや会員登録は必要ありません。届いたURLから、次の流れで手続きを進めます。
- 専用ページを開き、契約書PDFの内容を確認します。
- 名前・電話番号・メールアドレスを入力します。
- 入力したメールアドレスに届く確認コードを入力します。
- 契約内容への同意を選択し、送信します。
- 同意の日時と内容が記録され、契約書PDFを添付した確認メールが届きます。
操作はスマートフォンのブラウザだけで完結します。実際の画面の流れは、デモページ(/demo/contract/)で確認していただけます。
「いつ・誰が・どの内容に同意したか」を記録する方法
やりとりを手軽にするだけでなく、後から内容を確認できることも大切です。この仕組みでは、確認コードによるメール受信の確認と、同意した内容の記録を組み合わせています。
- 同意の日時、名前・電話番号・メールアドレス、同意の文言をスプレッドシートに記録。
- 同意時点の契約書PDFを特定するためのハッシュ値を保存。
- 相手へ契約書PDF付きの確認メールを送り、同じ内容を手元に残せるように。
ハッシュ値とは、ファイルの内容から計算される文字列のことで、内容が少しでも変わると値も変わります。同意したときのPDFと、手元に保管しているPDFが同じものかを後から照らし合わせるための仕組みです。
契約書のオンライン同意が役立つ場面
この仕組みは、自社ホームページの独自ドメイン上で動かせます。会社のロゴや色、入力項目、確認メールの文面も、実際の業務に合わせて調整できます。たとえば、次のような場面での活用が考えられます。
- 個人事業主やフリーランスとの業務委託契約
- スクールや教室、スポーツチームなどの入会時の同意書・規約への同意
- Web制作やSNS運用など、継続的なサービスの利用契約
- イベント参加時の注意事項や、写真・動画の利用についての同意
用途に応じて確認手順を検討します。本人確認の方法や必要な書式なども含め、取引に合った運用を考えることが前提です。システム開発の現場では、画面を作る前に「誰が、いつ、何を確認するか」という業務の流れを整理しておくと、使いやすい仕組みになりやすいと感じています。
電子契約と法律の基本:押印と電子署名法の考え方
契約をオンラインで交わすことに不安を感じる方もいるかもしれません。内閣府・法務省・経済産業省がまとめた「押印についてのQ&A」では、私法上、契約は当事者の意思の合致により成立し、書面の作成や押印は、特段の定めがある場合を除き必要な要件とはされていないと説明されています。
また法務省は、電子署名法により、電子署名された電子文書は押印やサインのある文書と同等に通用可能なものとされていると案内しています。電子契約サービスと電子署名法の関係については、法務省やデジタル庁などがQ&Aを公表しています。
La plus+の仕組みは、確認コードと同意の記録、PDFのハッシュ値によって同意の経緯を残すことを目的としたものです。電子署名法上の電子署名を前提とした電子契約サービスとは位置づけが異なります。また、法律で書面の作成や交付が求められる契約もあるため、対象の契約をオンラインで扱えるかどうかは、事前に専門家へご確認ください。
本格的な電子契約サービスを選んだほうがよいケース
シンプルな同意の仕組みが向いている場面がある一方で、次のような場合は、電子署名やタイムスタンプなどに対応した電子契約サービスを検討するほうが適しています。
- 金額が大きい取引や、将来の紛争に備えて証拠力を重視したい契約
- 取引先から、特定の電子契約サービスでの締結を求められている場合
- 社内で複数の承認者を経る稟議や、契約書の期限管理まで一元化したい場合
- 法令や業界のルールで、特定の方式や保存の要件が定められている場合
どちらが良いかは、契約の重要度や件数、相手との関係によって変わります。まずは自社の契約を種類ごとに分け、手軽さを優先するものと、証拠力や管理機能を優先するものを整理してみるのがおすすめです。
まとめ:日々の手間から、仕組みを考える
契約書のやりとりは、小さなシステムで日々の仕事を整える一例です。申込・予約・受注の受付フォーム、確認メールや通知の自動化、スプレッドシートでの顧客・案件管理にも、同じ考え方を応用できます。
大きなシステムを導入する前に、いま負担になっている作業を整理するところから。契約同意システムの導入や画面のご案内、業務のシステム化について、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 相手がスマートフォンに不慣れでも使えますか?
アプリのインストールや会員登録は不要で、届いたURLを開いて内容を確認し、名前などの入力と確認コードの入力、同意の選択を行う流れです。操作はブラウザだけで完結するため、普段メールを使っている方であれば手続きしやすい構成にしています。
Q. 押印のない契約書でも、契約は有効ですか?
内閣府・法務省・経済産業省の「押印についてのQ&A」では、契約は当事者の意思の合致で成立し、特段の定めがある場合を除き押印は必要な要件ではないと説明されています。ただし書面が必要な契約もあるため、個別の判断は専門家にご確認ください。
Q. 自社の業務に合わせて項目や文面を変えられますか?
会社のロゴや色、入力項目、確認メールの文面は、業務に合わせて調整できます。どの契約に使うか、どのような本人確認が必要かをうかがったうえで、運用に合った形をご提案します。
Q. 電子契約サービスとの違いは何ですか?
この仕組みは、確認コードと同意の記録、PDFのハッシュ値で同意の経緯を残すシンプルな仕組みです。電子署名やタイムスタンプ、承認フローや期限管理まで必要な場合は、専用の電子契約サービスのほうが適していることがあります。
