補助金を使ったIT導入を考えるときに、申請前に確認しておきたいことをまとめました。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や小規模事業者持続化補助金の基本、交付決定前の契約、後払いなどの注意点を解説します。
補助金を使ったIT導入を考えるときに、申請前に確認しておきたいことをまとめました。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や小規模事業者持続化補助金の基本、交付決定前の契約、後払いなどの注意点を解説します。
IT導入に使える補助金は、制度ごとにルールが違う
業務システムやクラウドサービス、ホームページの導入に、補助金を使えないかと考える方は多いと思います。国や自治体には、IT導入や販路開拓などを支援する補助金・助成金がありますが、対象となる事業者や経費、申請の時期は制度ごとに異なり、同じ制度でも年度や公募回によって内容が変わります。
この記事では、IT導入で検討されることの多い補助金の基本と、申請前に確認しておきたい一般的なポイントを紹介します。補助額や補助率、スケジュールなどは変更されることがあるため、実際に申請する際は、必ず最新の公募要領と公式サイトの情報を確認してください。
制作やシステム開発のご相談でも、補助金の話題はよく出ます。そのとき大切なのは、制度に合わせて導入するものを決めるのではなく、自社の課題を先に整理し、そのうえで使える制度があるかを確認する順番です。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の基本
中小企業庁によると、IT導入補助金は令和7年度補正予算事業から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的に、AIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する制度です。
- 補助の対象は、事前に事務局の審査を受けて登録されたITツール
- 事務局に登録された「IT導入支援事業者」と組んで申請する
- 申請にはGビズIDプライムの取得と、IPAの「SECURITY ACTION」の宣言が必要
- 交付決定後にITツールを契約・導入し、実績報告を行う
- 事業終了後も、一定期間の効果報告が求められる
公式サイトでは、GビズIDプライムの発行にはおおむね2週間かかるとされています。申請を考え始めた段階で、早めに準備しておくと安心です。
ホームページ制作は対象になる?
デジタル化・AI導入補助金2026のITツール登録要領では、ホームページと同様の仕組みのものや、情報の入力・保存・検索・表示といった簡易的な機能しか持たないアプリケーションは、登録の対象外とされています。一般的な会社紹介のホームページ制作を目的とする場合は、この制度が合わない可能性が高いと考えておきましょう。詳しくは最新の要領で確認してください。
小規模事業者持続化補助金とウェブサイト関連費
小規模事業者の販路開拓などを支援する制度として、小規模事業者持続化補助金があります。地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む制度で、申請にあたっては商工会・商工会議所から「事業支援計画書」の発行を受ける必要があります。
対象経費の区分には「ウェブサイト関連費」があり、販路開拓のためのウェブサイトなどに関する経費が含まれます。ただし、一般型・通常枠の第20回公募要領では、ウェブサイト関連費だけでの申請はできず、ほかの経費と一緒に申請する必要があるとされています。対象となる事業者の規模や上限額などは公募回ごとに確認が必要です。
商工会地区と商工会議所地区で窓口や事務局が分かれているため、自社がどちらに当たるかも事前に確認しておきましょう。
補助金を使ったIT導入の前に確認したいチェックリスト
制度を問わず、申請前に次の点を確認しておくと、あとから「対象外だった」「スケジュールが合わなかった」という事態を防ぎやすくなります。
- 自社が対象となる事業者か(業種・従業員数・資本金など)
- 導入したいものが対象経費に含まれるか
- 申請の受付期間と、事業を実施できる期間
- 交付決定の前に発注・契約・支払いをしていないか
- 補助金が支払われるタイミングと、それまでの資金繰り
- 導入後の実績報告や効果報告などの義務
- 申請に必要な書類やアカウントの準備にかかる時間
交付決定前の契約・発注は補助対象外になる
とくに注意したいのが、契約や発注のタイミングです。デジタル化・AI導入補助金の交付申請マニュアルでは、交付決定を受ける前に一部でも契約・発注、支払いなどを行った申請は、補助金の交付を受けられないとされています。小規模事業者持続化補助金でも、交付決定前に発注・契約、支払いなどを行った経費は対象外です。
見積もりの取得や打ち合わせは進めておけますが、正式な契約や支払いは交付決定の通知を受けてから行いましょう。依頼先にも、補助金を使う予定であることを最初に伝え、スケジュールを一緒に組んでもらうと安心です。申請から交付決定までの期間も見込んで、公開や稼働の時期を計画することが大切です。
補助金ありきで計画しないことが大切
補助金は、申請すれば必ず受けられるものではなく、採択されないこともあります。また、小規模事業者持続化補助金の公募要領に「補助金は後払い」と明記されているように、多くの制度では、いったん自社で費用を支払い、報告のあとに補助金が支払われる流れになります。
そのため、「補助金がなくても取り組む価値があるか」を先に考え、そのうえで使える制度があれば活用する、という順番で検討するのがおすすめです。補助金のために導入するものを大きくしすぎると、運用の負担や保守費用が重くなることもあります。
申請の手続きや事業計画の内容に迷ったら、地域の商工会・商工会議所や、中小機構などの公的な相談窓口に相談するのもひとつの方法です。
まとめ:課題の整理を先に、制度の確認は最新の公募要領で
補助金を使ったIT導入では、制度ごとの対象と条件を確認し、交付決定前に契約しないこと、後払いを前提に資金計画を立てることが基本です。制度の内容は変わるため、必ず最新の公募要領と公式サイトで確認しましょう。
La plusでは、補助金の利用を検討されている場合も含め、何を導入すべきかという課題の整理や、Webサイト・業務システムの計画づくりのご相談をお受けしています。スケジュールの組み方なども含めて、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. IT導入補助金はなくなったのですか?
中小企業庁の案内では、令和7年度補正予算事業から「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」に名称が変更されています。制度の目的や申請の流れ、補助の条件は公募ごとに見直されることがあるため、最新の公募要領で確認してください。
Q. ホームページ制作に使える補助金はありますか?
小規模事業者持続化補助金には「ウェブサイト関連費」という経費区分がありますが、第20回公募ではウェブサイト関連費のみでの申請はできないとされています。デジタル化・AI導入補助金では、ホームページと同様の仕組みは対象外です。条件は公募回ごとに変わるため、最新の公募要領を確認しましょう。
Q. 補助金の申請前に、制作会社や開発会社と契約してもよいですか?
多くの補助金では、交付決定前に契約・発注・支払いをした経費は対象外になります。見積もりや打ち合わせは進めても、正式な契約は交付決定の通知を受けてからにしましょう。依頼先にも補助金を使う予定であることを早めに伝えておくと、スケジュールを合わせやすくなります。
Q. 補助金はいつ受け取れますか?
多くの制度では、事業を実施して費用を支払い、実績報告をしたあとに補助金額が確定して支払われる後払いの仕組みです。いったん全額を自社で支払う必要があるため、資金繰りも含めて計画しておきましょう。具体的な流れは各制度の公募要領で確認できます。
